2011年9月に生まれたCommunity Crossing Japan (以下 「CCJ」 という)は、

様々なマンションや企業の方々と一緒に防災減災につながる活動を展開してまいりました。

改めて今日は、近況報告をさせていただきたいと思います。

 

1.「よき避難者ワークショップ」の開催が増加中!
創設されて8年目を迎えていますが、マンションや企業で

「よき避難者ワークショップ」を開催してまいりました。

「よき避難者」とは、災害時に一人ひとりが「受け身で支援を待つのではなく、

変化する状況のもとで主体的に適切な行動をとることができる避難者」です。

ワークショップを受けることで自ら行動できる人が街に多くいる状況を創造し、

災害時に被害者が限りなく0(ゼロ)に近づくことを目指しています。

 8年目を迎えた2018年は、マンションでのワークショップ開催が増えています。

住民同士で「防災」について話し合う場を年に1回の訓練だけではなかなか持てない環境の中、

ワークショップの際には住民の方同士の会話の時間を大切にしています。

住民の方々は、災害時に発生する「知らなかった」ことが多いことに気づき、

不安を感じますが、助け合える人がマンションには

住んでいるのだということを受講中に気付きます。

会話 

その時に生まれる会話は、

「昼間、女性だけでいた時に家具の下敷きになっている人を発見したら、

どうやって助けたらいいの?」

「女性だけじゃない、昼間、子どもだけが家にいる時もある。

一人でお家にいる子にどうやって声をかけたらいいの?」

「そもそもどこのお家が昼間どのような状況か全くわからない。

これじゃ助け合いもできたもんじゃない。」

など災害時を想像しながら進められる。

この疑問を洗い出し、解決策を模索する過程を経て、

マンション内での「共助」が徐々に生まれていくのです。

災害における被害が多く報道される中で、

住民の方々の防災に対する意識は高まっています。

でも具体的に何から始めればいいかがわからない…。

そんな疑問を話し合う場をこれからもマンション内や企業でも創造できるように

ワークショップを続けていきたいと思います。

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2.防災サークル立ち上げ伴走支援。住民が主体となり継続的に活動中!

ある80戸規模の新築マンションで「防災サークル」

の立ち上げ伴走支援をさせていただきました。

管理組合の理事の中で「防災担当理事」が決まっただけで、

1年に1回の防災訓練の計画も始まっていない状況のマンションでした。

 そこでコミュニティイベントを開催し、「共助」の大切さを住民の方々に伝えました。

「日頃からのつながりづくりのためにサークルを立ち上げたいと考えていますが、

どのような活動をするサークルがいいですか。」

と住民の方に聞いたところ、多数を占めたのは、「子育てサークル」と「防災サークル」。

早速皆さんの意見を反映して、2つのサークルへの参加者を募り、

具体的に何を活動として実行していくのかを話し合いました。

笑顔

 「防災備蓄倉庫の中はどうなっているの。何が入っているの。鍵は誰が持っているの。

鍵さえあれば誰でも開けていいの。」

と防災倉庫だけに関する話題に対してもどんどん疑問の声が上がります。

そこで、管理人の方が鍵を持っていることがわかり、お願いをして、倉庫を開けてみると…

住民の方は愕然。ペットボトル

の水がぎっしりと倉庫の中にあるだけ。

「えっ…これだけ?」不安は募ります。

そこから火がついたサークルメンバーの方々は、

理事会との連動体制をどのように構築するか、

サークルメンバー以外への発信はどのように行うか、

疑問を解決するための話し合いはどのくらいの頻度で行うか、

すべてのことを住民同士で主体的に話し合い、サークルの活動は進んでいきました。

 CCJがお手伝いするのは、サークルの立ち上げ時期のみ。

立ち上げの段階で、主体性が構築されると後の活動はどんどん住民の方だけで進められます。

 月に1回の第二土曜日の定例会議。自分たちで曜日も決めたこともあり、

参加意欲も強く、話し合いはどんどん進み、

他の住民の方も参加できる勉強会を住民自ら企画し、

チラシを作成の上、集客も実行。月に1回の会議後の飲み会も楽しみの一つ。

活動を通して、日頃からのつながりが確実に構築されています。

 このように防災組織立ち上げ支援もCCJで担わせていただくことが増えてきております。

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3.マンションだけでなく、戸建て住宅地でも防災組織の立ち上げを支援!

 CCJの母体であるHITOTOWA INC.が戸建て街区の自治会立ち上げ支援を担わせていだきました。

自治会が立ち上がったら、自主防災組織も同時に初期段階で立ち上げようと企画し、

自治会の役員の方々と相談の上、立ち上げに一歩踏み出しました。

 あくまでもその地域に住む方が主体。

自主防災組織を立ち上げることが目的ではなく、

「組織として何を実行するか」を入念に話し合いました。

 一つ一つルールなどが決まり、強い組織が継続することを願って、

引き続き伴走してまいりたいと思います。

講演

 

4.「そなえるカルタ」がキッズデザイン賞を受賞!

最後に、CCJも企画に携わらせていただいた三菱地所レジデンス株式会社が開発した

「そなえるカルタ」がキッズデザイン賞を受賞しました。

東日本大震災・熊本地震等の生の声を届け、子どもにも防災を身近な事柄として

「自ら考えて備える」機会を提供したいと考え、「そなえるカルタ」は開発されました。

現在、学校の防災授業(アクティブ・ラーニング)や行政が企画する防災イベント、

三菱地所グループが分譲・管理するマンションに留まらず、

それ以外のマンションの防災訓練でも活用されています。

 子どもの頃から防災意識を高め、地域との関わりを持つことで

将来の地域の安全につながります。

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長くなりましたが、近況報告をお読みいただきありがとうございました。

CCJは多世代に向けたそれぞれの世代が学びやすいコンテンツを用意し、

引き続き取り組みを進めてまいりたいと思います。

防災訓練・ワークショップの企画・運営、組織の立ち上げなどお気軽にご相談ください。

王子神谷

 【問い合わせ先】

Community Crossing Japan
https://communitycrossing.net/#contact