READYFOR?をご覧のみなさん、こんばんは。復興応援団代表の佐野哲史です。

 

4夜連続でお送りしている、「防災減災研修」の具体的な中身についてお話しするシリーズ。今日はその第3弾です。

 

本研修事業のコンセプトを確認します。

 

 ①マニュアルをつくらない/ただし事例集はつくる
 ②現場で深く学ぶ/実際に見て、問いかけて学ぶ
 ③自分で考える/自分の環境に置き換えて考える
 ④ひとりひとりがよき避難者をめざす

 

今日は、③自分で考える/自分の環境に置き換えて考える に関してです。
昨日述べました現地フィールドワークツアーの前に行なう「事前研修」と、後に行なう「ふりかえり研修」について述べていきます。

 

述べてきた事例集とツアー、共通原則は、徹頭徹尾ケーススタディであるということです。現地の担い手への取材(※)で得られた東日本大震災で実際に「起こったこと」と、「それをどうしのいだか」という事例を、最低限の整理はしますがなるべくリアルにお伝えできるようにします。

 

この原則は、事前研修とふりかえり研修にも貫かれていますが、僕たちはもう少しアグレッシブな座学をめざします。

 

ケーススタディを頭に入れたら、それで終わらずに、徹底して「自分の環境に置き換えて考える」ことをして、

 

 ・例えば、マンション自治会の新たな避難訓練をつくる
 ・例えば、テナントビル管理会社の新たな災害対策マニュアルをつくる

  …etc

 

など、具体的な改革改善に結びつけてもらうことをゴールに置きます。

 

ツアーの前に行なう「事前研修」は、下記のイメージです。

 

 ・参加人数は、10名〜25名程度
 ・実施時間は、週末など集まりやすい日/13時〜17時など4時間程度
 ・考える材料は、事例集
 ・コンセプトは、「知る」と「考える」の反復
  -東日本大震災の事例を「知る」講義 
  -自分の環境に置き換えたらどうなるのかを「考える」ワークショップ 
  (*ワークショップは以下WSと表記します)
 ・プログラムは、下記の3部構成
  第1部 
   講義:大規模災害で起こることを「知る」
   WS:自分たちが現状している備えを「見える化する」
  第2部 
   講義:そもそもどういう場所に避難するのかを「知る」
   WS:自分たちがどういう場所に避難する可能性があるのかシミュレーシ
     ョンして「考える」
  第3部 
   講義:そもそも避難所での生活はどのような感じなのかを「知る」
   WS:自分たちはどういう避難所運営をめざすかシミュレーションして
     「考える」 

  

   
ツアーの後に行なう「ふりかえり研修」は、下記のイメージです。

 

 ・参加人数は、10名〜25名程度
 ・実施時間は、週末など集まりやすい日/13時〜17時など4時間程度
 ・考える材料は、直前に行ったツアーで得られた知見 
 ・コンセプトは、ツアーで得た知見を活かした「備え」の改善改革
  -ツアーで得た知見を確認し、整理するWS
  -ツアーで得た知見を活かし、「備え」の改善改革をするWS
 ・プログラムは、下記の3部構成
  第1部 
   ツアーで得た知見を確認し、整理するWS
  第2部 
   ツアーで得た知見を活かし、「備え」を見直すWS
    ①自分たちが現状している備え
    ②自分たちがどういう場所に避難する可能性があるのか
    ③自分たちはどういう避難所運営をめざすか
   *事前研修で考えたのと同じお題を、ツアーの知見を活かしてもう一度
    見直してみる
  第3部
   「備え」を改革改善するWS
   *第1部第2部を受け、具体的なアクションプランを建てる

 

今夜は、ここまでです。
明日は、まとめも兼ねて、防災減災研修の全体のパッケージを確認します。そして、中核となるメッセージも改めて紹介します。
それでは、また明日。

 

※注
佐野は、2011年3月14日に発足した仙台・東京・関西のNPOと日本財団の合同プロジェクト「つなプロ」の現地本部長に就任、全国から集まった500人以上のボランティアスタッフと共に宮城県全域の避難所調査と人材・物資のマッチング活動に発災直後から数ヶ月間取り組んでおりました。その時にできた避難所運営の担い手とのネットワークが、今も生きて、この研修づくりにつながっています。