2014.09.10|READYFOR?投稿記事 ,東北スタディツアー研修
READYFOR?モニター研修【東北スタディツアー】
2014年7月10~11日、モニター研修の東北スタディツアーを行いました。
【1日目 午前】
復興応援団の案内の元、たどり着いたのは「南三陸町 戸倉中学校」
海抜15mの山間に建っているにも関わらず、津波に襲われた学校です。
時計は津波がおそった時間に止まったまま。
次の日の卒業式の準備の跡が生々しく残っていました。
波があらゆる角度から襲ってきたこと。
すごいスピードだったこと。
そして、近所の逃げてくる人を助けようとしていた事。
まだ残るその傷跡にそこに居たもの全員が言葉を失った瞬間でした。
そのまま「南三陸町の防災庁舎」。
テレビで何度も何度も見ていた光景でしたが、実際に目の当たりにすると、
その凄惨な状況を身体全体で受け止めました。
テレビとは違う五感で感じることの違いがあります。
津波でほとんどが流された南三陸町の駅はホームが残っているだけで、駅とはわからないぐらい。
さらに、その駅の周辺には緑がたくましく生い茂り、よりその状況が物悲しく感じられました。
海は穏やかで、新緑の季節の緑は美しい季節。
「自然に生かされているんだな」と思わざるを得ない対照的な風景がそこには広がっていました。
【1日目 午後】
初日のヒアリングでは、「介護老人施設 つつじ苑」の主任三浦さんにお話を聞くことが出来ました。
常時100人前後の入居者と、20人前後の外から通っている人達がいる館内。
震災当日は近所の港の周りに住む津波から逃げてきた人たちが150人近くもいたそうです。
逃げてきた人たちを集落で部屋をわけ、基本的にそのグループ内でのルールは自分たちで決めてもらい、
つつじ苑としては「休む場所」を提供しているだけの立場として接していたそうです。
そうすることで、「自分たちのことが自分たちでどうにかしないと!という」自主性の意識が高まったように感じたと言っていました。
提供している人も、逃げている人たちもどちらの「避難者」であって、助け合う事。
お互いができる事を相談しながら行う事。
社会で生きる上で根本的な事、大事な事を再確認した時間となりました。
つつじ苑のみなさんに見送られて、そのまま本日の宿へ。
南三陸まなびの里「いりやど」
http://ms-iriyado.jp/
ここで、オーナーの熱い想いが詰まった料理に舌鼓を打った後、夜の振り返りに。
みなさんからも「想像をはるかに超えていた」という声が多く、
被災地に赴くことへの重要性をまた感じた1日目でした。
【2日目 午前】
以前、私たちが主催する勉強会にも来て頂いた、キャンナス東北の山田さんのもとへ。
山田さんは、今まで特に震災の専門家でもなく、自治会にも関わっていたことはなかった方です。
ただ、体調不良の家族を抱えての避難生活だったため、看護士さんたちに関わる事となり、
最終的に、避難所を運営する側になった経緯があります。
被災する以前から、山田さんは常に「被災した時のシミュレーション」を行っていたみたいです。
ホテルで被災した時にどうやったら逃げられるかなどを自然と行っていたと言ってました。
シミュレーションの大切さは防災の専門家が訴えている事のひとつですが、
それを実践された方の重みは違いました。
また、印象的だったのは
「避難所は短期決戦だから、完璧を目指さなくていい」
「頑張りすぎなくていい」
と、いう言葉です。
このような事が起こると、みんな自分を顧みずに尽くす人たちが多いんだそうです。
そして、燃え尽き症候群のように、後からその疲労が一気に来て鬱になる人たちもたくさんいるとのこと。
「出来ない物は出来ない」
「わからない」
でいいという言葉に、参加者のみなさんもほっとしたと言ってました。
復興まで見据えると、長い期間頑張らないといけないのだからこそ、「自分と向き合う事の大切さ」を学んだ時間でした。
【2日目 午後】
お昼に、美味しいお弁当を社内で頂き仙台に向かいます。
ここでは、仙台市・片平町内会の今野さんにお話を伺いました。
まずは片平町内のツアーをみんなで行いました。
ここではいわゆる都市型災害の例を学ぶことが出来ました。
帰宅困難者が避難所に殺到して、入る事が出来なかったり、
大学に通う外国人たちが大学が締め切ったため、どうすることもできずに避難所にとどまる事になったり、
など、東京に住んでいる私たちが経験するかもしれない状況を教えてくれました。
今野さんの素晴らしい所は、これらの問題点をレポートとしてまとめ、
そこから新しい防災訓練(例:外国人滞在者の人も含めた訓練)を現在も継続として実施している所です。
その活動にただただ驚くばかりでしたが、自分のマンションや会社では何が出来るか?
という観点から応用できる素晴らしい内容でした。
最後にみんなで振り返りを行いました。
「もう1度しっかりと避難方法を見直したい」
「まずは、避難するためにも自分を深く知る事が必要」
など、感じたこと、学んだことを共有する事でより気づきを得られる時間となりました。
参加者のみなさんは、聞きながらも常にどうやって応用できるかを考えられている方たちでした。
短時間では消化しきれない部分を腑に落とし、24日事後WSのまとめに参加してより、考えを深めてもらう予定です。
丸二日、「地震」について考える。
3年という月日が流れると、元に戻ったところも多く、その痕跡が見えなくなっているところもありました。
だけど、そこに確実に起こったことは「感じる」事が出来ました。
体感することの大切さを今回改めて考え、より多くの人たちに「復興」の過程を見てもらいたいと思います。
ぜひ、東北に足を運びましょう!
余談ですがご飯はとっても美味しかったです…
みなさまのご協力のおかげで、今回ツアーを行う事が出来ました。
本当に、本当にありがとうございました。
今後も「よき避難者」がたくさん出来るように、活動を続けていきますのでどうぞ宜しくお願いします。
最後に、今回のツアーを最後まで遂行していただきました復興応援団のみなさまに感謝の気持ちをお伝えいたします。