READY FOR?をご覧の皆さまこんにちは、一般社団法人復興応援団の佐藤秀一です。

 

(皆さんはどこに避難しますか?)
昨日に引き続き、首都圏における避難所生活についてお伝えしたいと思います。
もし、皆さんの身に大災害が起きたらまずどこに避難しますでしょうか?発災した曜日、時間帯、また被災された方の職業など状況などによって様々でしょう。一度一日の生活サイクルを思い浮かべながら考えてみるとよいかもしれません。

 

(過去の災害ではどうだったのか?)
阪神淡路大震災おいては小中学校など、自治体が避難所に指定した施設のみならず、公共施設、公園、ホテル、公営住宅、社宅のように避難所に指定されていないものの被災者が自主的に避難したケースも多かったようです。大阪大学の調査結果によると、避難所の選択理由として「指定されていたから」は30%弱で、「安全な場所だと思った」、「自宅に近い」という理由がそれぞれ30%超となっており、あらかじめ指定されていたという理由を上回っています。地震直後の混乱の中で避難勧告・指示を発令することは難しく、情報のない中で安全と思ったところに自主的に避難するケースが多かったと思われます。また、膨大な避難者の発生に入りきらなかった人々が仕方なく指定されていない避難所に滞在するケースも多かったと考えられます。
東日本大震災においても指定避難所に入りきらなかった避難者が、指定されていない小中学校や公共施設、福祉施設、ホテル、お寺、スポーツクラブなど様々な施設に避難を強いられました。

 

阪神・淡路大震災では発災の時間帯が朝方でほとんどの方が自宅にいましたが、もし昼間の在宅率が低い時間帯で発災があった場合、駅やデパートなど商業施設で被災するケースも多いと考えられます。内閣府によると、外出者の多い平日正午に発生した場合、東京都と神奈川、埼玉、千葉各県、茨城県南部で最大989万人が帰宅困難になるとの試算結果も出ています。

 

(自分が想定していない場所で避難生活を送る可能性)
これらか言えることは発災の状況によっては自分があらかじめ想定していない場所で避難生活を送る可能性があるということです。これは避難する側の一般市民だけでなく、指定避難所ではなくても避難者を受け入れる可能性がある商業施設の管理者なども十分に考慮しておかなければならないポイントだと思います。

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発災時避難者の受け入れを行っていた南三陸ホテル観洋の従業員の方から当時のお話を伺う。ホテル観洋は周辺住民、スタッフ家族を含めた600人の避難者を6か月にわたり受け入れ、その後もボランティア等の受け入れを行った